ついに韓国で現地調査!その2 ~東洋学園大学 本庄ゼミとの取り組み~
みなさんこんにちは!コスメルチームのmikiです。
今回は先日アップしました、東洋学園大学本庄ゼミとの取り組み
「メンズ化粧品市場の日本における普及の壁の特定」のレポート第2弾、
韓国での現地調査編の”後編”です!
前編となる前回のブログでは、
コスメルチームが抱いていた韓国美容への認識のギャップや、韓国人男性が持っている美容への価値観の意外性から感じられた所感を中心にお届けしました。
後編となる今回は
現地で実際に収集できた、日本ではなかなか得られない韓国の生の情報を中心にお届けいたします!✈
■ ”メンズ化粧品”はそもそも選択肢にない?
日本でも目にすることが多くなったメンズ用の化粧品。
年々、ドラッグストアなどの気軽に立ち寄りやすい店舗でも棚の数が増えてきていますよね。
にもかかわらず、
”メンズ化粧品”は売れない、売るのが難しい
という声を、日々の仕事やお付き合いを通じてしばしば耳にします。
雑誌でもメンズコスメの特集がコンスタントに組まれることが増えていたり、
男性の芸能人やインフルエンサーさんでも美容にオープンな方が増えていたり、
特にZ世代の男性において積極的にスキンケアやベースメイクを取り入れているらしい、ということは言われたりしているのに
このギャップはなぜ生まれているのか…
今回のグループワークの中ではこの”メンズ化粧品”の中でも、
特にスキンケアについても韓国の男性陣からヒアリングする場面がありました。
その中で挙がった意見の中でも特に多かった(誰かの発言に対し同意の多かった)意見をまとめると…
- メンズのラインはそもそも買おうと思わない
- 女性用として売られてきた従来のスキンケアの方が効きそう、肌によさそう
- パッケージに男性性を求めない
以上の3つの意見が特に同意見が多い印象でした。
1つ目と2つ目の意見はリンクしており、
「長い間売れてきた女性用のスキンケアアイテムの方が効きそう→だからメンズ専用はそもそも選択肢にあがらない」
という感じ。
そのため、
「化粧品売り場の”メンズコーナー”にはまず寄らない(シェービングなど男性特有のものは別)」
「行く人ももちろんいると思うけど自分は寄らない」
という意見も出ていました。
そして3つ目のパッケージへの意見については、
「”パッケージが好みだとテンションが上がる!”という考えがあるのは理解できるし自分もそう思うが、だからといって男っぽいデザインを化粧品に求めない」
「化粧品はずっと家に置いてあり誰に見せるものでもないので、パッケージはシンプルでいい」
「パッケージがかっこよくてもそれが購入するきっかけにはならない」
という意見も併せて挙がっていました。
では一体どんな化粧品を購入しているのか?を聞くと、
innisfree、VT、MEDIHEALなど、韓国のメイン級のブランドが挙げられていました。
また実際に、本庄ゼミとの取り組みとは別にコスメルチームでいくつか店舗を回ってみると、
韓国でも日本と同じく、オリーブヤングはもちろん他の売り場でも「メンズコーナー」が設けられており、
シェービングアイテムなど男性特有のアイテムとともに、"for MEN"のスキンケアアイテムやメイクアイテムがいくつも並べられていました。
ただ…
そのコーナーだけ全然人がいない!!
店舗に赴いたのが平日の午前中ということもあり男性の客数自体がやや少なかったということもありますが、
それにしてもその周辺スペースだけやたらがらんとしている印象で、
メンズコーナー以外の棚の方に女性も男性も集まっているようでした。
また並べられていたパッケージに関しても、
黒色や灰色、銀色などを基調としたパッケージが多く、
挙げられていた意見の通り”かっこよさ””男性っぽさ”に振り切ったものばかりな印象。
そういった方向性のパッケージのアイテムがあってももちろん素敵ですが、
ひとつにまとめられてしまうと、消費者にとっては
すべて同じようなものに見えてしまいそうな予感…。
特に、近くに並べられている、シェービング剤などの男性専用アイテムが昔からそういったデザインのものが多いので
もしかしたらそのような方向性は男性にとっては見飽きたものになってしまっているのかも?
と個人的には感じられました。
■ 韓国でのメンズメイク習慣
次に”メンズメイク”について。
ここ数年の日本でのメイクも髪型もファッションも、ほとんどのトレンドが韓国からきているもの、あるいは韓国を意識したものになっていますよね。
特にメンズメイクにおいては、日焼けをしていない、クマやニキビ跡もないフラットな肌に見せるなど
韓国のアイドルや俳優の影響をかなり強く受けていることが伺えます。
そんな、今やメンズメイクの本場ともいえる韓国の男性に対し、
普段実際にどんなメイクをしているのか?
メンズがメイクをすることへの正直な印象は?
などを聞いてみると…
- 自分も含めて身近な人も、ファンデーション、コンシーラー、BBクリームのいずれかは使用している
- 日焼け止めはたとえコンビニに行くだけだとしても絶対に塗りたい!
- ポイントメイクはちょっとやりすぎ
以上の意見が同意の多い意見でした。
こちらも少し補足していきます。
ますひとつめの「ベースメイクやコンシーラーはだいたい使用している」について。
そのほとんどの目的はニキビ跡やシミ、ムラなど、自分の気になる箇所を隠すためがほとんどだそう。
もちろん中にはモテたくて美肌に!という人もいるかも?とのことですが、
ほとんどは「自分のコンプレックスを隠す=自分のため」
に使用しているとのこと。
この考え方も、前編でも少し触れた「自己管理」の考え方が根本にあるのかもしれませんね。
次に「日焼け止めはコンビニに行くだけでも絶対に塗りたい!」という意見について。
こちらはこれまで出てきたすべての意見の中で最も日本と乖離があるのではないでしょうか?
というのも、日本においてもここ数年酷暑が続く中で日焼け止めを塗る男性や日傘をさす男性が増えてきている印象はありますが、
たとえコンビニに行くだけでも絶対に使う!
ちょっとでも紫外線を浴びるなら年中使う!
という男性は、まだまだ少ないのでは?
(というより、年齢性別問わず一般の方がここまで徹底するのはかなり意識しないとできませんよね…)
また中には、
「周りに肌の手入れをしていない友人がいたら、スキンケアよりもまずは日焼け止めを使うよう勧める」
と仰っていた方もいて、
韓国の方の「日焼け対策」への意識の高さがかなり強くうかがえる結果となりました。
次に3つ目の「ポイントメイク」について。
こちらは逆に、日本の価値観との差はあまりないように感じられる結果となりました。
挙がった意見の中でも特に気になった意見としては、
- ナチュラルであれば好印象◎
- アイブロウ、チークをしていると”メイクしている感を感じる”程度(人によっては違和感)
- アイライナー、濃い口紅までしていると”やりすぎ”
- 男性と女性は骨格的に顔のつくりが違うので、全く同じメイクをしたらおかしいと感じるのは当たり前
などがありました。
また、韓国でも日本と同じくパーソナルカラー診断がかなり流行っているとのことで、
(日本と同じくブルべ・イエベ、春夏秋冬といった風に)
普段からメイクをしている方や、接客業など自分の身だしなみに気を配らなければならないような方は
男性であってもだいたい自分のパーソナルカラーを把握しているとのことでした。
日本では主に女性において流行している印象があるため、ここは乖離があるように感じられます。
(ちなみに、日本でパーソナルカラー診断と同じくらい流行している骨格診断については全く知らない様子でした)
■ 韓国コスメが韓国で流行ったのは日本人の影響!?
本庄ゼミ主催のグループワーク終了後、
主に日本と韓国のマーケティングを専門とされている、今回の企画の現地コーディネーターの方にお話を聞く機会がありました。
グループワークとはまた違ったより専門的なお話が多く、新しい発見や知見を吸収できたのですが、
中でも大変興味深かったのは、見出しにもあるように
”韓国コスメが韓国国内で流行りだしたのは日本人の影響の可能性”
という新知見…!!
なんでも、韓国コスメが日本や海外で流行する前は、
実は韓国の方々自身が韓国コスメの効果等をあまり信用していなかったのだそう。
そして同時に、
多くの方が、日本をはじめとした海外のコスメは効果が高いと認識していた
とのこと。
ただ、高機能と認識してはいたものの、輸入品となることや
特に日本コスメに関しては比較的高価格のものが多いことで、
コスパという面においては一歩及ばず、なかなか手が出せないものになっていたのだそうです。
そんな中で、
K-POPや韓国ドラマの世界的な流行に伴い、日本をはじめとした海外の方々が韓国に足を運び、
そして自国のものではなく韓国のコスメを積極的に選んで購入しているのを見て、
「うちの国のものってそんなにいいのだろうか…?」
と韓国の方が気になり使い始めたところ、
自分たちの想定よりも使用感がよく、そしてなにより価格も安くてコスパが大変よいこと
が受け入れられたことで、韓国国内でもヒットするようになったのだとか。
(※あくまでお話を聞いた方のご知見です)
実際に今回のグループワークの中でも、韓国の方が韓国コスメを使っている理由として多く挙がっていたのは
とにかくコスパがいいから
という意見でした。
(単体の価格が安いことに加え、”1+1”、”2+1”など、商品を購入すればもうひとつついてくる、といった形態が非常に多いことも関係していると言えます。アメリカなどもそうですよね)
見事なまでの逆輸入…!!👏
■ 今回の韓国視察のmiki的まとめ
今回の韓国視察を通して、
日本と韓国における相違点・類似点の両方、そして新知見を見つけられたことが個人的に大きな発見でした。
相違点として最も印象的だったのは
”潜在意識の違い”です。
前編にも記載しましたが、韓国において男性もスキンケアやUV対策を当たり前のように取り入れられている方が多いのは、
体づくりや健康への配慮と同じく、”自己管理の一環”として割り切れているから
という印象がかなり強く感じられました。
日本の男性でも体力づくりに気を配っている男性は多いと思いますので、
いかにそこにアプローチし、スキンケアやベースメイクを行うことへの精神的ハードルを下げることができるのか…
ここがキーになるように思います。
そのために、
韓国でなぜここまで”自己管理の徹底”の文化が根付いているのか、
それはどの世代でも同じなのか、
などなど、まだまだ紐解けることも多そうです。
逆に類似点としては、
メンズ用化粧品は手に取りづらく感じている、という点が最も印象的でした。
わたしは定義によってはZ世代に分類される年齢ですが、
実際に周りの男性たちに話を聞くと、今回聞いた意見と同じように
・メンズ用のものはさっぱりスースーするものが多くて使った気にならない
・家族や彼女のものを借りるとしっとりもっちりして効果に感動するから同じものを使いたい
・最近出たメンズ用のものより、パッケージが女性的でもロングセラーのものを使いたい
と言っている友人が多いような気がしています。
そのため、前述の”精神的ハードルを下げる”ための手段として
メンズ用化粧品をすすめる、というだけではやや不十分
というのが、今回の取り組みの中での個人的なひとつの結論でした。
では今後メンズ美容を広めていくにあたり、どうアクションをすればいいのか?
については、
本庄ゼミのみなさまが絶賛考案中ですので、
最終発表を心待ちにしたいと思います!!
改めて、今回企画くださった本庄ゼミのみなさまに感謝申し上げます。
考えることも向き合うことも多く、かなり踏ん張りどきだったと思います…!
たくさんの発見や成長の糧につながれば幸いです。
本庄ゼミのブログも随時更新されておりますので是非チェックしてみてください↓
https://ameblo.jp/honjozemi/
また本取り組みが、東洋学園大学の公式HPに掲載されたとのことで、こちらも是非ご覧くださいませ!!
https://www.tyg.jp/featured_stories/detail.html?id=19049
本取り組みに関する次回のブログは最終発表編の予定です。
お楽しみに◎!