「超敏感肌」でも諦めない。アトピー経験から生まれたスキンケア「LISOSKIN(リソスキン)」開発の裏側【わくたよしのぶ様×COSMEL対談#1】

中央「LISOSKIN(リソスキン)」ブランドオーナー わくた漢方株式会社 わくたよしのぶ様
左 COSMEL株式会社 開発担当 白野実
右 COSMEL株式会社 企画開発担当 箱崎かおり
Client
わくた漢方株式会社 様
事業:医薬品販売、化粧品販売
生薬や漢方薬を中心に取り扱う、創業90年を超える「老舗のくすり屋」。
3代目のわくたよしのぶ様は、幼少期からアトピーに悩んでいた経験をきっかけに、SNSで科学的 根拠に基づく情報発信を開始。
「肌トラブルにおけるセルフケアの確立」をミッションに、2022年 4月にスキンケアブランド「LISOSKIN(リソスキン)」を立ち上げ、大きな反響を呼んでいます。
今回の記事では、ブランドに込められた思いや開発の裏側について、開発担当者とブランドオーナー・わくた漢方株式会社 代表取締役 わくたよしのぶ様に伺いました。
Index
1.始まりは自身のアトピー悩み。様々な肌悩みを持つ人から手に取ってもらえるブランドへ。
――シリーズ累計約4万点、すごいですね。
わくた様(以下、敬称略):
化粧品ブランドを立ち上げるのが初めてで他と比較できないのですが、予想以上の反響があったと思います。
箱崎:
スタート時の爆発力はもちろん、年間を通じた安定的な売り上げがすごいですよね。リソスキンがユーザー様にとって無くてはならない存在になっているのではないでしょうか。
――多くの人に選ばれ続けているのですね。その理由にもつながると思うのですが、ブランドの思想について教えていただけますか。
わくた:
ブランドを立ち上げたきっかけは、アトピーに悩んだ経験でした。でもいろいろ調べていくうちに、敏感肌も炎症性の肌トラブルも「角層バリアの低下」という同じメカニズムが起きていると気づいて。
こうした肌悩みを抱える人たちが手に取りやすいスキンケアラインがあれば、という思いを込めて、ブランドミッションを「肌トラブルにおけるセルフケアの確立」にしました。
白野:
肌荒れはバリア機能が低下している場合が多くて、そのままにしておくと刺激にさらされ続けてしまうんですよね。
肌荒れやひりつきを感じるときこそ、しっかりしたスキンケアの必要があると思っています。
それを踏まえて「肌荒れにも使えて、守れるものは何か」をみんなで考えて、ブランドを作った感じです。
箱崎:
「肌が荒れている時でも使いやすいスキンケアにとことん特化する」という開発のやり方は、大手さんではなかなかできないと思うんですよね。
その結果、かゆいところに手が届く商品が生まれたと感じます。
2.スキンケアに興味がなかったのに、ブランドの立ち上げを決断した理由。

――SNSで情報発信されていますが、どのようにスキンケアブランドにつながっていったのでしょうか。
わくた:
2020年からアトピーについて情報発信を始めて、1年ほどでブランド立ち上げを考え始めました。
例えばアトピーのガイドラインに「スキンケアを継続することが重要」と書かれていても、スキンケアの具体的な方法は全く情報がないんですよね。
あるいは化粧品メーカーがアトピーの研究をしても、アトピー向けの商品として市場にほとんど出てこないんです。
そのあたりに情報のギャップがあって、悩んでいる方に向けてSNSで発信しているうちに、こうした悩みに寄り添う商品がないことに気づいて。
「スキンケアブランドを作ってみよう」と考えるようになりました。
――敏感肌向けや低刺激訴求のアイテムは市場にたくさんあっても、わくたさんが満足できるアイテムはなかったのでしょうか。
わくた:
保湿感と刺激感の両方で満足するアイテムは見つけられませんでした。
刺激感がないものはつっぱるものが多くて、保湿感があるものはしみてしまう。顔用であれば、保湿力があって刺激がない商品もあったのですが、全身に心地よく使えるアイテムはありませんでした。
正直、自分で調べるまではスキンケアにあまり興味がなかったんです。
でも皮膚科で治療を継続しながらスキンケアを意識し始めて、肌の状態が変わっていったのを自覚しました。
スキンケアはすごく大事、でも情報がない。
そういうときに「とりあえずこれ」って商品ができたらなと思って、ブランドメッセージを「あなたの肌を守りたい」にしました。
3.COSMELとの出会い。成分やOEM先の知識に支えられ、早く製品化できた。

――ブランドを立ち上げる前から、箱崎さんとはSNSで交流があったのでしょうか。
わくた:
そうですね。箱崎さんが化粧品開発支援をされていると知っていたので、ブランドを作りたいと思った時に相談してみようと声をかけました。
――なるほど。化粧品開発の依頼先はCOSMEL一択だったんですね。
わくた:
はい。特に助かったのが、OEM先や処方の知識ですね。
化粧品OEMがたくさんある中で、量産が得意な剤型や所有設備などを知見として持たれているんですよね。
商品の処方設計についても、自分の持っている情報を商品として具体化していくときに、箱崎さんと白野さんの経験がとても参考になりました。
※化粧品OEM:化粧品の受託製造に対応している企業のこと。
白野:
作りたい化粧品のイメージがまだ漠然としていて、OEMへの頼み方がわからない人って多いんですよ。
その中で最初からCOSMELにご相談いただけたのは、結果的に近道になったのかなと思います。
入れたい成分、入れたくない成分だけではモノって作れないんですよね。
商品づくりのこだわり部分は、本当の意味で開発側とすり合わせるのが難しいのですが、そこが得意なのがCOSMELの良さだと感じています。
箱崎:
全体的なコントロールをしながら、良い商品に向かって開発を進められたと思います。
企画開発・処方設計・OEM選定のすべてができたからこそ、青写真が濃く描けるような開発ができたと感じますね。
――COSMELで処方設計をする場合、わくたさんの要望を開発担当者が直接聞けるから、忠実に処方に落とし込んで思い描く理想に近づけることができたということでしょうか。
箱崎:
それはすごくありますね。わくたさんからサンプルのフィードバックをいただいたときに、精度高く改良してサンプルとしてお戻しできたんです。
営業を挟まずに、処方設計に精通した開発担当者が直接クライアントとやり取りできるのが、COSMELの良さかもしれないですね。
4.ターゲットの「超敏感肌」に向けた、あえての「N=1ブランディング」。
――ターゲットの「超敏感肌」は、どのように設定されたのでしょうか。
わくた:
敏感肌とか揺らぎ肌よりももう一段階センシティブで、ご自身の肌状態で悩んでいらっしゃる方に手に取ってもらうための表現として「超敏感肌」という言葉を選びました。
箱崎:
ターゲットをあえて「敏感肌」と分けたんです。
肌トラブルを抱えていても使いやすいことを市場に伝える言葉として、世にある敏感肌向け化粧品との差別化も考えて「超敏感肌」という言葉を使いました。
アトピー性皮膚炎から揺らぎ肌まで広い意味での”敏感肌”を、「超敏感肌」「敏感肌」「揺らぎ肌」と分けて定義づけした時に、最も悩みの深い層を徹底して狙ったブランドにしていこうと最初に決めていました。
――「超敏感肌」をターゲットにする際に、開発側として感じたことはありますか。
白野:
「敏感肌全員が使えるもの」というマクロなミッションではなく、「まずはわくたさんが使えるもの、満足するものを作ろう」という方針がすごく明確だったから、作りやすかった印象ですね。
箱崎:
最近N=1ブランディングって増えてますよね。
化粧品市場が多様化して「誰か一人の悩みを解決するアイテム」が増えている中で、今振り返るとその先駆け的なブランドになった気がします。
5.原料を自分の肌で確かめたことで、自信をもって人に勧められる中身に。

画像:COSMEL提供
――開発当初、世の中の敏感肌や肌トラブルを抱える人に受け入れられるかで不安があったと伺いました。
わくた:
そもそも"超敏感肌でも使える"というハードルが高いじゃないですか。僕が使えたところで、他の人にも合うかはもちろんわからないですし。
「人に紹介するときに、自信を持てるかな」という不安がありました。
実際に配合量ごとの成分刺激を自分の肌で確認したことで、説得材料というか、自分の中でひとつ自信ができたのは大きかったですね。
――ラボで実際に触って配合上限を確認するのは、COSMELからの提案でしたか。
わくた:
そうですね。ベースの原料をいくつか提案されて、配合量ごとにサンプルを送ってもらったんですけど、全部だめで。
じゃあ来てもらおうって言われて。
白野:
北海道からわざわざ来てもらったんですよ。
保湿剤や防腐剤といった原料の種類や量を変えながら、刺激の閾値まで確認したのは初めてでしたし、安全性が高い成分も入れすぎると刺激になり得るという気づきもありました。
防腐剤も一通り触ってもらった結果、やはりパラベンが一番刺激を感じにくくて、我々としても自信を持って使えたのはありますね。
※パラベン:防腐剤の一種。旧表示指定成分。
箱崎:
わくたさんの考え方として、「皮膚の侵襲性があるものは一切使わない」というコンセプトが一貫していた点も、処方提案の上で重要でした。
開発側としては機能性成分の提案をしたくなるのですが、そういうものを一切入れないという強い意思があったからこそ、最終的に低刺激を追求しやすかったなと思います。
――ユーザーからすると、できるだけ肌の奥まで浸透して働きかけてほしいという気持ちがあるけど、敏感肌にとっては違うんですね。
箱崎:
そうですね、徹底した角層ケアですよね。
その下には入れない、いい意味で期待しない。
肌の揺らぎが気になるときも、その揺らぎを止められるような”角層ケア”が、化粧品の本質的な役割だと気づかせてくれたブランドでした。
6.超敏感肌向けだからこそ、心地よい使用感へのこだわり。

――発売後、ユーザーからどのような声がありましたか。
わくた:
一番嬉しかったのは「今まで使えなかったけど、リソスキンなら使えました」という感想です。
お子さんのスキンケアで悩んでいる方とか、産後すぐに使いたいって声はやっぱり多いので、特に印象に残ってますね。
箱崎:
ここ数年の研究だと、アトピー性皮膚炎は肌環境の乱れが関係していて、生後早期からセラミドを含む保湿剤でスキンケアをすると改善する可能性があることが注目されていますよね。※
リソスキンを産院に置いてもらって、デイリーケアとして使ってもらえたら嬉しいですね。
※Aoyama R, et al. Allergy. 2024;79(6):1618-1622.
わくた:
あとはテクスチャーを褒めていただくことが多くて、僕自身もすごく気に入っています。
白野:
「敏感肌×心地よいテクスチャー」が、ブランドで一番のこだわりポイントですね。
世の中の敏感肌用ブランドは、鉱物油フリーとか、どちらかというと引き算の発想が多いんです。
ありきたりの敏感肌用ブランドにしたくなかったので、肌負担などでわくたさんが許容できる範囲で、テクスチャーにもこだわってきました。
「敏感肌用だからこそ心地よいものを作ろう」が、個人的な裏テーマとしてあって。
成分が良くても使い心地が悪いと、特に敏感肌では不快に感じてしまって、それが肌への負担につながることもあるんですよね。そのように角層はできているので。
心地よさに徹底してこだわるために、これまでの経験を全集中で全投入しました。
わくた:
最初にブランドを作るときは正直、自分はテクスチャーをあまり意識していませんでした。
でも、化粧品を作る立場の人からは、やはりテクスチャーは大事だと言われて。
今となっては、僕自身も気に入っていますし、リソスキンの強みのひとつだと思っています。
今回ご紹介したブランド【LISOSKIN(リソスキン)】

LISOSKINの理想
それは、
鏡を見るあなたの
毎日の笑顔を
守ること
“あなたの肌を守りたい”
LISOSKINはこの強い想いから誕生した
敏感肌でも毎日を笑顔で過ごすためのスキンケアです。
わずか0.02㎜の薄さで肌を守る角層を
皮膚科学に基づいたアプローで
あなたの肌を乾燥・肌荒れから守ります。
インタビュー参加者
わくたよしのぶ様

LISOSKIN開発者
わくた漢方株式会社 取締役
創業90年を超える老舗の生薬・漢方薬を中心とする医薬品販売会社の3代目
自身が幼少期よりアトピー・乾燥肌で悩んだことから科学的根拠に基づく
超敏感肌・乾燥肌改善に関するスキンケア・インナーケアをYouTubeとXで発信中
SNSの総フォロワー数は約5万人
開発担当者

箱崎 かおり
COSMEL株式会社 代表取締役
一般社団法人美容科学ラボ 代表理事

白野 実
COSMEL株式会社 取締役
株式会社ブランノワール 代表取締役社長
取材日:2026年3月2日
写真:吉田一之
執筆:うの

